2014年11月18日星期二
【江藤詩文の世界鉄道旅】ハルツ狭軌鉄道(1)石炭の熱風にあおられて…蒸気機関車の運転席でつくった黒いシミ
【江藤詩文の世界鉄道旅】ハルツ狭軌鉄道(1)石炭の熱風にあおられて…蒸気機関車の運転席でつくった黒いシミ
容赦なく吹きつけるすごい熱気に、思わず顔をそむけた。ヨーロッパの晩秋。しかも山岳地帯。車外はしんしんと冷え込んでいるのに、ここはまるで別世界だ。頬が熱い。重たいコートを着ている私は、うっすら汗ばんできた。燃え尽きた石炭のミクロサイズの破片が、熱風にあおられて目に入った。ちくちくして涙まで出てくる。この道36年の運転士フランク・ハウプトフォーガー氏は、困った表情で眉をひそめた。
ハルツ狭軌鉄道は、“ブロッケン現象”で知られるブロッケン山頂とふもとの街ヴェロニゲローデを結ぶSL鉄道だ。出発の準備を進める蒸気機関車が、重たくたれ込めた灰色の空にすうっと描いた白と黒の直線、2本のモノトーンの煙に見とれていると、運転席から声をかけてくれたのがフランクだった。
運転席によじのぼろうと、油ですべりやすいステップに足をかけ、手すりにつかまるとフランクが手を貸してくれた。その手は36年の蓄積で、薄黒く染まっている。墨色が私の手にも移る。慌てて差し出してくれたタオルも、手をこすりつけたズボンもやっぱり黒い。フランクは、困った顔で「ソーリー」と小さく呟いた。
蒸気機関車は、石炭をくべる若手の“ファイヤーマン”とベテランの運転士、ふたりひと組で運転する。この日のファイヤーマンは、30歳になったばかりのティロ。運転士になるには、ファイヤーマンとして見習い期間を過ごし、研鑽を積まなければならないそうだ。「いまから蒸気機関車を動かして、客車と連結しますが、このまま乗って行きますか?」。ティロのことばに一も二もなく飛びついた。客を乗せていないこの区間は、トレーニングを兼ねてティロも機関車の運転に携わる。
がたんと大きく揺れ、身体が大きく揺れた拍子に、どこかに触れてしまったのか、はいていたデニムに大きな黒いシミができた。かまわない。こんなのは運転席に乗車した勲章だ。けれども「女性が服を汚して、そのままにしているなんて…」。フランクは大きなため息をつき、またもや困った顔をした。
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